理想と現実がしっかりと描かれた古典的現代もの

美しい容姿と、「悪魔めいた陰性の美」という内面を持つ彼。
漢文の引用が多いのが、一見、単なる出会いと別れを文学的情緒を醸し出す一助となっていて良い。

しかし個人的には漢文引用が多いにもかかわらず、どこか古代ギリシアの雰囲気を感じました。
それは主人公から見た彼や後半で登場するキャラが容姿端麗であるからなのかもしれない。

奇跡的状況が起こるが、奇跡が起こる訳ではないというのは、先述と反して漢文的で、非常に興味深い作品でした!