しゅうまつ

『国民の皆様に、悲しいお知らせがあります。この星に、隕石が接近しています』

国の首相が重たい口をようやく開き話始めたと思ったらそんな言葉から始まった。
隕石の大きさは直径１５キロ。
それは大昔、地球上の生物をほぼ絶滅させたものと同じ大きさだった。

『残り５日間。どうか、皆様大切な人と最期の時をお過ごし下さい』

テレビの放送はそんな言葉で締め括られた。

騒つく教室。人々は逃げる。ここではないどこかへと。あるはずのない逃げ道を探して。

少女、みかげは録画した中継を眺めていた。

「…スリルあるなあ〜…」

とまるで他人事のように、ニヤつく口元を抑えられなかった。

世界の最期。首相の言った言葉。『大切な人と最後の時をお過ごし下さい』


あなたは終わりを迎える最後の瞬間、誰と過ごしますか？