むかしむかしのその後に
「そうして竜の子となった人の子は……あら?」
語っているうちに、やはりいつの間にか子供は寝息を立ててしまっている。
今日は結構あとの方までは持っただろうか。
燭台のろうそくは根元まで溶けかかっており、語りが長きに渡ったのを物語っている。
母親は子供の顔を撫でながら微笑んでいる。
「この子もそろそろ空を飛ぶ訓練をする年かしらね」
子供の寝間着の背中にそっと手を入れ、感触を確かめる。
背中には小さいながらも翼が生えている。
それはまごう事なき竜の翼。
母親の瞳は、闇の中に
ある所に、竜人と呼ばれる人々が居た。
彼らは竜の子孫であると言われたり、或いは人が竜の血を一身に浴びた事によって生まれたとも言われている。
彼らの出自は明確にはわからない。
しかし彼らは、一つの物語を口伝で子孫へと伝えていく。
親代わりの名も無き竜と、その血を受けた人間の物語を。
名無しの竜と赤ん坊 綿貫むじな @DRtanuki
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