概要
“たわぶれの森”は、人間と彼らの世界が交わる間《あわい》。
劇作家を夢見る少年ハンツが森の魔女に導かれて出会うのは、“こちら”と“あちら”の混じり合う、美しい銀の髪だった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!異世界への道標のような文章の魔力
劇作家を夢見る少年と、魔女の森に住む〝彼〟のお話。
面白かったです。内容(人物)が個人的な趣味に直撃している、というのもあるのですけれど、それ以上にとても完成度の高いお話でした。
冒頭で鷲掴みにされました。ただの道案内のような文章の、でも引き込まれるみたいな美しい流れ。そこに散りばめられた無数の情報。道順を説明されているはずなのに、伝わってくるのはその世界の有り様。こうしてたっぷりタメを効かせた後での、最後一文の収まりの良さ。
ここでいきなりノックアウトされて、そのまま貪るように最後まで。
読んでいてビリビリ心のセンサーに響いてくる文章。こんなにも読みやすく、また様々な想像をかき立てられる文…続きを読む