誰がそれを決めるのか

「ハッ、働きたきゃ勝手に働きゃいいんだよ。働くのが偉いってことなら牛や馬の方がよっぽど偉いじゃないか。それにだいいち、あいつらは不平不満を口にしないからな」
 ゴーリキーの『どん底』にそんな一節がある。
 さて、本作は中々に風刺が効いている。軽妙なユーモアの体を示しつつも、苦味走った皮肉が渋い。
 詳細本作。