【解説】この作品を書いた際の背景など

 「捨てられない日記」を最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 この作品を書いたきっかけは、2019年の小説家になろうでの夏のホラーという企画に参加したことがきっかけでした。


 皆様に教授するような執筆技法を書く技量は持ち合わせていませんが、この作品を書いた際の着想などについて書いてみようと思います。


 また、本編を楽しんで頂いた方には恐縮ですが、直接的には物語と結びつかない内容であることを先にお詫びいたします。


 ここから本題に入りますと、普通に生活していてホラーとつながるような出来事に直面することは稀だと思います。

 私自身も霊感などがあるわけではなく、実際にそれっぽい何かを目にしたことはありません。


 ただ多少、直感は鋭いところがあるようで、どんよりした空気の場所に行くとイヤな感じがしたり、その場を急いで離れたい衝動に駆られたりすることはあります。


 少し横道に逸れましたが、本作は亡くなった祖母というテーマが中心です。

 

 私の祖母はどちらも故人ですが、おどろおどろしさを感じさせるのは父方の祖母でして、母方の祖母は山で農作業に精を出す健康的な印象が強く残っています。


 一方の父方の祖母――以降祖母と省略します――は、私が小学生の頃に入院することになり、見舞いに行くたびに妄言を吐くような状態でした。

 重い病気というよりも老化や体力の低下が要因で、少しずつ老衰していきました。


 入院期間は十年以上だったと記憶しており、私が二十代後半の時に体調が悪化して亡くなりました。

 

 ここまでおどろおどろしい要素は出ていませんが、実家を掃除する際に祖母の持ち物を整理する機会があり、供養した方がいいように感じた物を見つけたことが不気味な印象を抱いたことが大きな理由でした。


 今作では日記と呪詛めいた言葉として登場しますが、実際に目にした物はぜんぜん違うものです。


 公の場でそれが何であるかを書くのは躊躇するものの、小説として書き上げる原動力になるぐらいにはインパクトの強いものだったと記しておきます。


 場末の占い師が決まり文句のように、「先祖供養をちゃんとやれ」というぐらい、日本人の頭の片隅には故人の念みたいなものを恐れる意識はあると思います。

 

 どう言い替えても明るい話にはなりませんが、ホラー小説を書く上でのエネルギーに変換するぐらいのことはできるとだけ申し上げて、締めくくりとさせて頂きます。


 最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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捨てられない日記 金色のクレヨン@釣りするWeb作家 @kureyon-gold

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