人はいつだって誰だって、成長出来るという事を感じさせてくれる物語

  • ★★★ Excellent!!!

 スピンオフではあるものの、学園物としてこの作品単独でも楽しめます。しかしやはり、キャラの人となりや出会いのエピソードを深く知った上で読んだ方が深みが段違い。この物語の深さを味わうためにも、面白いのでぜひ本編も読む事をお薦めしたいです。

 闇術師というのは、やはり聖なるものと相対しているという点、日陰の身と申しますか。学問としては平等なはずなのにあまり周囲の目が好意的ではない中、それを学ぶべく学院に入る生徒は矜持を持っている感じで芯が強い(癖も強い)。
 期間限定ではあるものの、きちんと学校では学んでこれなかったアレイアが、これまた臨時の先生として学院に籍を置く事となった師匠のログレスと共に、キャンバスライフを堪能するという内容で、タイトル通りまさに恋や友情の「青春」が繰り広げられます。
 
 その中でログレスの過去や、生と死と隣合わせであるというシビアな世界観も垣間見えます。そして人は誰しも一人ではなく、いつだってどんな時だって、本人のやる気次第でいくらでも成長していく事が出来る事が各エピソードで示唆されていて、読者も色々と気づきを得る事が出来るのではないかと。

 本編と合わせて読むとかなりの長編になりますが、文字数を感じさせない筆致とエピソードの数々、深みのある世界とキャラが織りなすこの読み応え。一読の価値あり。

 

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