燃えるゴミ

ずっと使っていた物を捨てた

ありがとう、と言いながら


物を捨てるのって苦手だ

なんだか可哀想に感じてしまう

勝手に形と役割と名前を与えて

人間のために尽くしてもらっているのだから

使われている時か

解き放たれる瞬間か

どちらが幸せなのか分からないけど


テクノロジーを憎んだこともあった

なぜ私たち人間は

自然と共に生きてゆけなかったのだろう、と


でも今は嬉しい

家、機械、消耗品

みんな

生まれてくれて、ありがとう


人間たちは道具を生み出した

時に武器となり町を壊し

何万人もの人間を傷つける力を持つ


「物」の魂を

存在を汚してしまってごめんなさい

私たちは日々

あなた方の力を借りて生きている


道具を作り出す親である

私たち人類は

いつか分子と語り合い

心を通わせることができるだろうか


道具たちに

素敵な役割を

喜びを

プレゼントできるだろうか


いつか ありのままを、

愛せるだろうか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る