テーブル

土曜日、彼は私の話を聞いてくれなかった。苛立った私はまたいつも通り彼に向かってテーブルや物を投げた。


テーブルを壊した。

前は立てかけ鏡が割れた。自分で作った料理も何回か無駄になったことがある。


それでも彼は一心に携帯を見続けた。

「何でそっちばかり見て私の話を聞いてくれないの」と私は聞いた。

「だって携帯は急に機嫌が悪くなったり物を投げたりしない」と彼は答えた。


私はその時やっとはっとした。

大声で泣き続けた。

でもその後一緒に片づけて一緒に寝た。翌日の17時になっていた。


 彼が一緒にテーブルを買おうと提案した。私は付き添って、ヨーカドーまで行った。丁度良いテーブルはなかったが、代わりに彼はい草のマットが欲しいと言い、私も猫の抱き枕も欲しくなり、購入した。

 隣のGRANDTREEまで行くと、雑貨屋さんが沢山あって、その中でも下に収納スペースがあるこげ茶色のテーブルを見つけた。

 彼は「テーブルを持ち帰る」と言った。店員さんから「まだ買い物があるようでしたら預かります」と言ったので、彼の履いていたビーサンが壊れていたのでABCマートでVANSのサンダルを買ったり、折角なので私の靴も2足(でも5000円)買ってくれた。

 アジアンヌードル店でトムヤンクンヌードルやフォーを食べた。

その後テーブルを購入した店に戻り、テーブルを引き取った。

帰り際「雨降って地固まるだね」「良いテーブルが手に入って良かったね」と言ってくれた。


こういう奴なのである。

申し訳ないが、8年も一緒にいるのだ。


 でも、このままじゃいけない、と思って私はあらゆる心理学の本を読んだりセラピーやカウンセリングを受ける事にした。

一つだけ分かった事がある。

薬では絶対治らない。

これは私の中の問題なのである。


 帰ったら私はすぐ諸々開封してごみを一纏めにしてゴミ捨て場に捨てた。洗濯機も回した。その間彼はテーブルを組み立ててくれた。

本当に良いテーブルなのだ。収納があるのとないとでは全く違う。

「本当に良かったね」を私達は繰り返した。夜はお酒を飲んでつまみを食べた。彼ががーがー寝ていたが、私は明日行くゲシュタルセラピーに不安を抱く。

 はあ、本当に私の「キレ癖」はゲシュタルトセラピーで治るのであろうか。

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