美しい人生の旅の果てに辿り着く場所なのかもしれない

ただただ、美しいお話でした。
生きる場所を探す男と、死ぬ場所を探す女。
彼女は、どこから自分の死ぬ場所はここだ、と思っていたのだろう。
少しいじわるな顔で笑うのは、死に場所を探しているゆえだろうか。

いずれ、誰もが辿り着くシャングリラ。そこで、天蓋に穴を開けて見ている、先に旅立った者たち。
だけど、彼らとわたしたちは、一緒にシャングリラを目指していたんだ。ただ、辿り着くのが早いか、遅いかだけ。

わたしたちはいつも、幻想の国から見守られている。
彼らとシャングリラでまた再会する時まで、しっかり人生を歩こうと思えた一編でした。

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