グ・ラブ・ティ

ファンタジックで特殊な何かが起こり、時空をワープする恋物語。そういうお話は、よく目にする気がします。
けれど、この物語は、ファンタジーではない「ある方法」で時空を飛び越える、そんな恋。
現実的な理論に基づいた「時の流れ」が結ぶ恋は、リアリティに溢れる分一層ドラマティック、かつロマンティック。理論的に筋の通ったストーリーというのは、物語の非常に大きな魅力の一要素なのだということを、改めて強く感じます。

甘さを抑えた文章がその魅力を一層引き立てる、知的で大人な雰囲気たっぷりの恋物語。ぜひお楽しみください。

この広い宇宙で生物が生存するには、奇跡のような可能性が必要だそうです。

だから、同じ時代に生きて、何かの縁で知り合って、偶然喋ったり出来て、もしかして愛することが出来たなら、それはもはや奇跡と呼べると思う。

もし人生でたったひとつの愛を貫くことが出来たなら、奇跡以上の光景を見ることが出来る。それを証明してくれるような、素敵な物語でした。

ロマンティックなセリフや洗練されていて秀逸な地の文に、切なくて心があたたかくなって愛を信じたくなる。

ぜひ、皆さんにも読んで頂きたい、大人の愛のカタチです。

　宇宙で、入植できそうな惑星が発見された。宇宙飛行士の女性は、その惑星の探査機を回収するために、実際にその惑星に行くことが決まった。そんな彼女には、仲の良い男性がいた。男性と言っても、彼女よりずいぶん年下だ。男性は彼女に、愛を伝える。しかし彼女には任務があり、その任務には膨大な時間がかかる。だから、男性とは恋愛関係ではなく、友人関係を求めた。
　そして、彼女は任務に赴く。
　しかし、その任務はたやすく行えるものではなく、時間がかかった。
　しばらくして、ようやく惑星と母星とが通信できるようになった。
　彼女が何年かぶりに見た物とは――？

　一組の男女が織り成す、時間を超えた愛の物語。

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