Blood　road

　妹を愛して止まない、妹を愛し過ぎるあまりに病んだ、御土門暁は寝不足だった。全身から血を吹き出す奇病に悩まされる妹を寝かし付ける為に、一日の殆どを眠る事が出来なかった。学校では、妹の将来の為に良い収入を得る為に集中して勉強に励んでいるのも要因だ。夕方・あるいは深夜のアルバイトも、彼の寝不足を強くしている。

　そんな中、街に吸血鬼事件が発生していた。人の血液全てを吸い取られる事件は、夜の人々の動きを鈍くしていた。

　アルバイトの帰り道、暁は正真正銘のヴァンパイアに遭遇する。そこから、彼は泥川のような、ドス黒す、そして長い血族たちの争いに巻き込まれていく。

　争いの始まりは……ドラキュラが第二次世界大戦を起こした、その日からだった。