第三話 講演会(1)

広島県江田島市 海上自衛隊幹部候補生学校


ここは、赤レンガと呼ばれる庁舎が有名な場所であるが、今日、講義が行われているのは赤レンガではなかったが同じく歴史が古い大講堂であった。

その大講堂に、幹部候補生と防大4年生が集まり、講義が始まるのを待っていた。








「…で2033年に発見された粒子は、主に電波に干渉する性質を持ち、発見者の名前からM粒子と名付けられた。そのM粒子は我が国で発見されたものだったが、かつての八木・宇田アンテナのように我が国より外国が先に利用を開始し、先の2038年、尖閣紛争で人民解放軍によって使用され、近代戦の仕組みが大きく変わってしまった。」


たしかにその通りだな。

俺は、舞台袖で出番が来るのを待っている間、教官の話を聞きながら、何度も頷いていた。

俺は、その場にいたので言っていることが即座に理解できたが、体験したことがない候補生たちは理解するのが難しいだろうなと思った。

それにしても、なんで俺がここに来なきゃいけないんだろうな…。

あのくそ上司め!


「その尖閣紛争についてはこの後特別講師に詳しく話してもらうが、結果は諸君らも知っているように我が自衛隊の戦術的敗北・戦略的勝利というものだった。

この戦いは勝てたが、多くの優秀な人材と艦が失われた。

その戦訓を…」


本当にいいこと言うなこの教官。

俺が舞台袖で、感心していたら、


「…講演をよく聴いて、今一度、気を引き閉めてほしい。…以上。」

『校長に対し、敬礼!』

ザッと、踵を揃えて敬礼する音が聞こえた。

…つーか、今の人校長だったんだ。

『続いて、特別講師による講演を行う。講師は、呉地方総監部付小沢弘樹一等海尉』

あ、ここで出番なのね。

…今更ながら、緊張してきた……。

俺は、舞台袖から、中央の演壇へと足を進めた。









どうも、八一号、前の名前は大吉です。

更新が遅くなってすみません。

いろいろ忙しかったのですが、休校になって時間ができたので、もう少し更新できるように頑張ります!

あと、これからはこんな風にあとがきも書いていこうと思います!

まだ、人間の主人公がちゃんと出てませんがお許しください。

これからもよろしくです。

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雪風様と行く、国防戦線! ~休載中~ 宵月醍醐 @sendaigo

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