読み進めるごとに、豊かな心が見えてくる作品

読み進めるごとに、深みを帯びてくる、情感豊かな作品です。
少し不思議な作品かなと読み進めると、次第に郷愁を誘われ、そして語り手の現在の状態が明らかになると、飛ぶ、ということの世界の広がりと自由さが見事に立ち上がってきます。
ラストは少し悲しく、けれど晴れやかで美しい旅立ちで、朝焼けの中に飛び立っていく姿に心地よい余韻が感じられます。
短い中に、ぎゅっと豊かな心の詰まった作品です。

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