姿形のなくなったお手軽なデジタルのラブソングと、重くて高くて読みづらいアナログの本。その表現と対比が面白く繊細に表現されていて、ギャルと地味な男子の恋がそれはそれは奥ゆかしい趣のある物語に仕上がっています。たった上下3315文字。あっという間に読み終わってしまう話だからこそ感じられる余韻があるのだと思いますが、もっと2人のやりとりを読んでみたくならざるを得ません。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(576文字)
こんなのって、ないよ。やはりこの作品は素晴らしい。2年前はその展開、広さに雷鳴を受けた。上記の表現しか思い浮かばなかった。けど、この2年で私も読書量を積み上げているから読み方が変化しているわけで。その私の変化にこの短編は柔軟で豊富な表現という形で答えてくれている。何度読んでも読み口が違う。素晴らしい。2021/08/29 きつねのなにか