「吾輩は猫である」のオマージュ小説。なんですけど、それで終わってないんですよ。
いや、オマージュ小説としても凄いんですけどね。使っている漢字、表現方法、文体からして書くのがどんなに大変だったか想像もできません。
それだけでも十分に賞賛ものですが、死んでしまった猫が異世界に転生し、勇者猫として魔王退治に乗り出すんですよ。こんな展開を誰も考えないです。転生、異世界での生活、モンスターとの戦い、そして魔王との対峙。これを猫がこなしていく様は必見です。もちろん、原作を知っていればニヤリとする場面も多いですよ。
面白いのはそれだけにとどまらず、主人公を取り巻く人間がイキイキしているのも良いです。色々書きたいんですが、自分で読んで感じてください。
先駆者より最後にひとつだけ。結末はニヤニヤせずにいられませんのでお楽しみに!
夏目漱石の名作「吾輩は猫である」を題材にした異世界ファンタジー。
溺死してしまったかに見えた猫「吾輩」は、メッツナーの神官クシュンにより異世界サンドレアに召喚されてしまう。
魔王と戦い世界を救うための勇者として――
文豪の文体を再現し、時にはそのまま引用し、時にはユニークなアレンジが加えられておりと圧倒的な作品です。
登場人物の名前も、クシュンやラビリスなどニヤリとするものが多く、原典への愛が感じられました。
そのうえ、吾輩は不思議な術を使えたり、原典さながらの生態観察を披露したりと異世界ものの要素も完備。
名作と現代の流行がマッチし、パロディに終わらず一つの新しい作品として成立しています。
「吾輩は猫である」は著作権が切れているため、インターネット上でも読むことができます。
ぜひ読み比べながら、吾輩の活躍を見届けてください。