第6話

『ロリータ』の面白さとして、どこまでも深読みしても足りないというところもある。では、私も『ロリータ』を深読みすることで、このエッセイを終えたいと思う。


337ページ。ロリータの学友をハンバートは値踏みしている。そして、そのうちの一人であるエヴァ・ローゼンという子がロリータと仲良くしてほしいと思っても、ロリータは付き合いをやめる。また他の子をハンバートに紹介するとき、海兵と関係を持っている子だと教える。これは、ハンバートの興味を失せさせるようなことだ。


ここで、私はいくつかの可能性を読み取れる。ロリータの無邪気な振る舞いと読み取る人がそこそこいるだろう。

しかし、私には他の可能性を思い付いた。


ロリータはこの時点でハンバートと性的な関係がある。しかし、ロリータがそれを望んでいないのはハンバートでさえ感じ取っていることである。ロリータは、ハンバートの危険性を知っているのだ。そしてロリータは、ハンバートの近くに学友が近寄らないようにしている。それは、学友をハンバートの毒牙にかからないようにしている行動ともとれるのではないだろうか。


このように、『ロリータ』はハンバートという歪んだ思考の人が見た世界を通して、読者が再構築しなければならない。私もそこまでできていないけれど、皆さんにもハンバートの意識できなかった部分を補うようにして『ロリータ』を読んでほしいと思います。





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不真面目にロリータを読みなおす 古新野 ま~ち @obakabanashi

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