いやあ、おもしろかった

二十歳(原作:菊池寛『形』)以外は原作を知っていたけど、意外に、原作を知らない方が楽しめた。
それは作者に力量がある証左だろう。
話の構成から、森見登美彦の「新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)」を連想した人もいるだろう。
おそらく、その連想はまちがっていないが、確実に森見の作品とはちがったおもしろさがこの短編集にはある。
ちなみに、「走れメロス」「山月記」「桜の森の満開の下」が森見の短編集と重なる。
そのなかで、「桜の森の満開の下」を下敷きにしたものが、森見作品の中で一番好きなのだが、この作者の「桜の森の満開の下」も読み応えがあった。

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