第十四話 二度目の告白
琉星said
翌日の放課後、俺は美海を屋上にて呼び出した。
「何、話って」
少し怒っている様子の美海に戸惑いながら、俺ははっきりとした口調で言った。
「俺が罰ゲームで君に告白したって、思ってるの?」
美海はぴくりと肩を震わせた。
(やっぱり気にしてたんだ…)
「やっぱりさ…」
「ごめん!」
勢いよく頭を下げる。
美海の顔を見れずに、自分のつま先を見ながら俺は美海への思いを打ち明けた。
罰ゲームという形での告白になってしまったけれど、本当はずっと前から美海のことが好きだったことも。
「ほんと、なの?」
確かめるように、美海が俺に問いかけた。
「ほんと、だよ」
美海の目から涙が溢れ出して、俺は慌てて駆け寄った。
「ご、ごめん、俺またなんかしたかな」
「ううん、違うよ…」
涙を乱暴に腕でぬぐいながら、美海が笑顔を作った。
「めっちゃ嬉しい!芹沢君が私お同じ気持ちでいてくれてたのが」
心臓がドクンと大きく音を立てた。
「俺も、嬉しいよ」
ぎゅっと美海を抱きしめると、抱きしめ返された。
ぶわ、と幸せが身体中を駆け巡って、思わず腕いっぱいに美海を抱きしめた。
「痛いよ…」
少し苦しそうに、でも幸せそうに美海が笑う。
「ごめん…」
二人で顔を見合わせて笑うと、窓から夕日が差し込んだ。
まるで俺たちを祝福しているようで…
「大好きだよ、美海」
「私も、大好きだよ」
絶対に、美海を幸せにしよう。
俺は、そう美しい夕日と、窓から見える夕日色の海に誓った。
嘘から始まる私の恋 平川彩香 @XTJpx5L1
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