文章力で真っ向勝負している姿勢に、格好良さを感じました。ジャンルは、純文学に分類されると思われます。説明過多にならずに、でも読者を置き去りにしない技術ちは、すごい才能を感じます。本当の意味で抗うつ剤に頼らなくても良い日が、主人公に訪れますように。
同じ景色、いつも同じどんよりとした空。私は真っ直ぐに続く道を走っている。夢が始まった時から私は走っている。繰り返し、私は夢を見る。……抗うつ剤のお世話にもなる。そのなかで、「彼」に会う。夢……、いや、現実?夢と現実が、ごぽ、と水音をたてて、混じり合う感覚がします。まだ始まったばかりの物語ですが、その不思議な感覚を味わいに、ぜひ、いらしてください。