栄光への序章


「ここ………は?」

見回せば、そこは木々の生い茂る…公園だ!

一時期迄入り浸っていた、でも、途中から怖くなって行かなくなった…!


その理由を思い出してハッとした。

あるものを見てハッとした。


その理由…刃物男に殺されかけたから。

あるもの…刃物男に襲われる昔の僕だった。



「どぉぉ!」

不思議な咆哮で気を引きつつ、タックルで刃物男を昔僕から引き剥がす。


「逃げろ!」

昔僕を逃がす。

そんな事してる間に刃男が立ち上がる。

「殺す!」

目がイッてる。そう言えば犯人は薬中だった。


死ぬ


そう思ったとき、走馬灯が頭を巡った。

(あぁ、そう言えば…あの時僕を助けてくれた人、居たな…僕か。そっか…未来僕が俺の身代り…あれ?死者0だったような?)

様々な考えが頭を巡る。


「死ね」


刃男が刃物を俺に刺し……


「ヌン!」


気合い十分な突きが先に当たった。


「ゴブァ!」


モロに喰らった刃男が数m吹き飛び、気絶した。







そうだ…思い出した。

あの日、俺は逃げた後、こっそり刃男と逃がしてくれた男の戦いを覗いていたんだ。

そして………素手で刃物をワンパンKOしているのを見て……それに憧れて今の道場に入ったんだった。

『僕もああなりたい』と思って。




刃物を相手に素手で相手を。

そんな事を想定しながら鍛錬を積み、

様々な相手を倒し、

そうして強くなっているうちに…………











この前、五輪で金メダルを獲ったのだった。













俺のルーツは俺だったんだ。

「俺も、ああなれたんだな。」

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タイムスリップしたらあの日の謎が解けた! 黒銘菓短編集60弾 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

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