日本のむかし話として語り継ぎたい、そう思えるほどの見事なお話でした。とにかく、描写が美しく引き込まれます。波打ち際ではしゃぐ美しい少女、水中から見上げた夕暮れどきの海、泡……(すみません、私の語彙力が足りません)。語り手がまた、おじいさんが誰かに伝承話を語っているような、なかなかカクヨムでは見られない語り調だったので楽しめました。一度読み始めれば、引き込まれ止まらなくなること間違いなしです!
おばあさんの語る怪異譚の形式。縁側で、もう秋も終わり。ガラス戸越しに葉の枯れた庭を見ながら湯気の立つ玄米茶を手にしてお盆をはさんでならんだおばあちゃんの話に耳だけを貸す。人恋しくなるようなお話に仕上がっているのではないかと思います。
昔話風の語りで進む『海が太陽のきらり』。プロットは決まっているのですが、それをどう料理して仕上げるかは作者次第。今回の『きらり』はそれはそれは味わい深いものになっています。ほのぼの、でもあるし、ホラーでもあるし、切ないといえば切ない物語。ああ、いいな。面白いな!素敵な表現がさらっと出てくるのも本作の魅力です。
語り口がいい味出してるホラーです。設定を上手く改編してストーリーを成り立たせてます。このお題でこんな話が出てくるとは!
少年と少女が夏の海で出会い――という、おなじプロットから執筆する企画の参加作です。 タグでめちゃくちゃ謝ってますが(笑)老人の語り口があたたかく、昔話風にうまくまとめられていて、企画とかなんとか関係なく単純に好きです。お伽噺風味なきらり。2千文字ちょっとなのですぐ読めます。ぜひ。