王国首都郊外(とある丘2)

相変あいかわらず、するどいねぇ。可愛かわいげがねぇったら、ありゃしねぇ」


 アウィスが視線をめぐらした瞬間、丘をすべりたクロウことオウルは、まだ熱を持った二つの薬莢やっきょうを革手袋をした左手ににぎりしめながらつぶやいた。


 狙撃手として優秀な部類に入るオウルの腕前を持ってしても、一発目で照準修正して、二発目が命中弾だったのだ。


 夜目は同じぐらいいたが、射撃の腕は昔からアウィスにかなわなかった。オウルの脳裏に忘れたはずの思い出がよみがえっていた。


「こんなところでおっなれることにでもなっちゃあ、迷惑だぜ! 〈狩人かりゅうど〉の価値が下がっちまうだろうが、アウィス!! それに、味方のことになると自分がお留守になっちまう悪いクセが直っちゃいねえ。オマエは昔から……」


 苦い記憶を吹き飛ばすかのように、かつてアウィスの兄弟子だった男はき捨てるように言った。

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狩人の血脈 SKeLeton @SKeLeton

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