黒羽盗一と怪盗キッドと怪盗コルボー

初代の怪盗キッドである黒羽盗一は『100万ドルの五稜星みちしるべ』で生存が判明し、怪盗コルボーであることが判明した。現在の怪盗キッドである黒羽快斗と同様にボイスチェンジャー等の機械を用いらずに多種多様の声を出すことが出来、変装術に優れている。盗一が変装術に優れているのは映画以前に明らかになっており、工藤有希子とベルモットの変装の師匠である。


さて8年前に殺されたとされている黒羽盗一はどのようにして死を免れることが出来たのか。黒羽盗一を殺したと思っている組織は未だに彼の死を疑ってはいないようなので端から殺されるだろうことは分かっていたのかもしれない。現状、寺井が黒羽盗一の死を疑っているような描写は見受けられないので生死についてどこまで知っているかは疑問符が付く。ただ燃えた後のジェットコースターを見て泣いているような描写があったので生きていることを知ったとしてもそれよりも後の可能性は高そうだ。どちらにせよ、黒羽盗一は身の危険を感じていたからこそ、準備をして死を免れたのだろう。


では今の怪盗キッド、つまり自分の息子の快斗に対してどう思っているのだろうか。おそらく怪盗キッドを始める当初に抱いていた感情と同じだと思う。当時、怪盗淑女ファントム・レディこと千影さんを自分の妻にし、怪盗淑女ファントム・レディという名前を世間に忘れさせるように怪盗キッドを演じていた。今の盗一は息子に怪盗キッドという危ない橋を渡らせたくないので怪盗コルボーを演じているのだと思う。怪盗コルボーはここ最近にラスベガスで行動を開始した怪盗なので変装して姿を変えているかもしれないが、ラスベガスにいる千影さんとおそらく一緒に行動しているだろう。怪盗淑女ファントム・レディのときと違って対象となる怪盗は盗みを続けている。そして快斗が怪盗キッドを降りるように説得するために日本でコルボー対キッドを行ったのだと思う。コルボーの助手役である千影さんを置いて母として快斗にキッドを止めるように説得し、コルボーが直接対決でキッドを止めるように誘導したのだろう。2人の作戦は結局上手く行かず、未だに怪盗キッドであり続けている。


おそらく今の盗一と千影さんは怪盗キッドの動向を追っているのだと思う。千影さんが変装をするようなことはあまり見られていないので基本的には盗一が変装して快斗の周りにいるのかもしれない。これはまさに映画の盗一の立ち位置だろう。盗一として斧江家の宝を盗まれないように、余計なゴタゴタを生ませないために行動していた部分ももちろんあったとは思うが、快斗が変装していることを知っても野放しにするような親として見守っている感じがあったと思う。


快斗側は盗一についてどのように思っているだろうか。おそらくまだ盗一の死について疑いを持っているようなことはなく、父親としての尊敬の部分ももちろんあるが、1人のマジシャンとしての憧れがあるはずだ。そして快斗が盗一の死が偽装であって生存していることを知るときにはきっぱりと怪盗キッドを降りるだろう。盗一を殺したとされる組織に生存が露呈することは避けなければならないので盗一の死が快斗の耳に入るのは組織が潰れたときかもしれない。

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Hidden Line of Conan キザなRye @yosukew1616

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