とにかく笑いました。
ライトな文体でテンポよく読み進められ、ストレスフリーでゲラゲラ笑える。
色々疲れてしまったときに、特におすすめですね。
笑いにも『押しの笑い』『引きの笑い』と二種類ありますが、これは秀逸。物語やキャラクターは基本的に『引きの笑い』で構築しているのですが、登場するキャラクターが快活にセリフを回すことで『押しの笑い』の勢いも付加されているのです。
コメディって読むときはただ笑いながら始まりただ笑って終わるので、構成の奥深さとかには目がいかないのですが、そういうところに注目すると、この作品の笑いの次元の高さを知ることができるかと思います。
また、4話構成で1話ごとに必ずオチが付いており、各話ごとに必ず笑えます。
1つの短編を読む過程で、4つの短編を読んでいるような感覚です。
1つの中に色々という感覚を例えるなら、まるでカルフォルニアロールを食べているような……なんて言うとスシババアに怒られてしまいますね。
怒られると言えば、怒られるすれすれを攻める姿勢が素晴らしかったです。エッジの効いたコメディセンス、必見です。
すごいですよこの作品は。
『スシババア』というタイトルからしてもう。
実は私、「タイトルがすごすぎて、内容はそうでもないのでは?」とちょっと疑っちゃったんですが、読んだら内容こそすごかったです。
『スシババア』という強烈なタイトルを付けながらも出オチにならない素晴らしさ。思い切りよくキャラを描き切った作者様の手腕のなんと素晴らしいことか……! 感動しました。
一話、二話……と進むにつれ、物語は加速し、スシババアも勢いに乗ります。
抜群に面白いので、是非読みましょう。
補足:何とか多くの人に読んでもらいたい、と知恵を絞った結果がこのレビュータイトルです。
「!」のあとに「スペース」を入れていないのです。
本当は文則に従ってきちんと入れたかったんですけどね、入れると字数オーバーなので断念。
「ここまでさせるとは、スシババア&作者様め、やられた!」という感じでございます。