あの夏レモネード

　１７歳の夏、岩脇歩は同じ高校に通う同級生から、半ば強引な誘いを受けて、同級生の従兄弟が経営する海の家の住み込みバイトを始めた。
　店主は、親が経営している民宿を継ぐため、恋人を残しまま、都会での仕事を辞めて地元に戻ってきた人だった。
　不満をこらえながら、なれない仕事をこなしていたある日、旅館に客人が訪れる。
　その客人とは……。

　思春期の夏に経験した出来事が、少女を少しずつ成長させていくものがたり。