泣いて泣いて泣いて
ママがみうを産むまでを思い起こした。
ママ妊娠3ヶ月。
妊娠すると体力的に厳しくなると医学書には書いてあったのを見つけて じゃあ! これから! 私が! 朝ごはん! 作る! 覚悟した。
これまでの流れなら『私、朝ごはんを作る』というのはママ的に認められないことなんだろう――なんの哲学か理解できないのだが――『妹』を餌にすることにしようと考え半分。
普段なら寝ている5時台に、ばっちし起きた。じゃあ顔を洗ってキッチンにと、って足を入れようとして――ママがうずくまってるのを見つけた。
「ママ! ママ!」
反応していることを示しているのか右手をばたばた上げている。様子を見ようと近くまで行くと、いきなり強く反応して私の左足を掴んだ。……掴んだ。ママは私の足を掴んで離さないようにしてるんだろうけど――そのママと思えなかった……あんまりもな……あまりの握力のなさに、力弱さに……涙が出た。
きっとパパの仕事に影響がでることを心配してるんだ。
砂糖でさえもお腹いっぱいという相変わらずラブラブ夫婦だ。
弱々しいママの手を蹴っ飛ばして……涙が流れた。どっち、誰とか必要ない。涙は流れたんだ。
私は嫌われてもいい。パパもママも求めてないことをする。そんなラブラブ夫婦を壊すのは娘の私でいい。
スマホを『119』にしてスリーコール。「救急ですか火事ですか」という事務的な質問。
「救急です。妊娠している母が床に倒れてたので電話しました。母の意識はうっすらとしていて会話になりません。では住所は――――です。お願いします」
お母さんに怒られるのは分かってる。でもいいよ、ママは。新しく産まれてくる娘のこと大事にしてくれれば。
新しく産まれてくる女の子はピンク色が好きでスカートが大好きだったりして―――ママが望んだ”かわいい女の子”になるんだろう。
救急車が来てパパとママが病院に行って
私は独りぼっちでリビングにいた――暗いリビングに
そして2人は夫婦になりました 璃央奈 瑠璃 @connect121417
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