第8話
連れられた先は、食堂というよりかは居酒屋といった方がしっくりくる場所だった。
適当な席に座るエルバ、ウルに促され自分も席に座る。
ちらほらと、見られてる様な気がするがそちらを見ても目を逸らされる。
「ルドは食べれないものあるか?」
あたりを見回してた自分にエルバが聞いてくる。
こちらに来て何が食べれて食べれないのかは分からない。
「とりあえず、注文して食べれそうなものを食べる方がいいだろうな」
ウルがそう言ってくれたので、それに頷く。
「それもそうだな」
そう言って、大きな声で適当に注文していた。
「食べ物によっては、相性があるから少しでも体に異変を感じたら食べるのをやめるんだぞ」
きっとアレルギーの事に関して言っているのだろう。
料理を待っていると、女性の店員が料理を持ってくる。
注文した料理を並べてくれる。
視線を感じてそちらを見ると、視線を逸らされた。
こちらを思っての事だと分からなければ傷ついてしまいそうだ。
「こ、こっちは今朝取れたばかりだから美味しいので!」
林檎の様な見た目の、果実が青い何かを盛り付けたお皿を置きながら彼女はこちらを見てそう言った。
「ありがとうございます。」
そう彼女に伝えると、頬を染めながら仕事に戻る。
後ろでブーイングが聞こえる。
「毎日来てるのにあんなのねーぞ!」
「そーだそーだ!」
「うっせぇ!これでも食ってろ!」
後ろを振り返ると、楽しそうに笑いながら林檎のような物をそのまま投げつけてる姿があった。
メニューに無いサービスをしてくれたみたいだ。
「全く、うるさい奴らだ」
「ルドはあんなんでもいけるか?」
「はい、多分ですけど。楽しそうにしてるのは見てて楽しいですよ。」
ウルとエルバはお互いの顔を見て、順番に首を振る。
多分、「お前はいけるか?」「無理」「そっちは」「絶対無理」みたいなやり取りを感じる。
皆、可愛いので何がダメなのかよく分からない…。
やはり、文化や歴史から来る固定概念があったりするのだろう。
元の世界でも、昔は体格の良い女性が好かれていたが今では違う事と同じかなと納得する。
「もしそうなら、相手出来るなら早いうちにしてあげた方がいいぞ」
ウルの言葉が理解出来なかった。
「えっ。なんで?」
そんなそんな戸惑う自分にエルバがフォローを入れてくれる。
「ここは話してなかったけど、女は40を過ぎると中央都市に行くからね」
「中央都市?」
「そう。中央都市では、ほかの都市や町、村から40回目の始まりの日を迎えた女性を集めて軍を編成するんだ」
貞操観念逆転系異世界転生譚 佐伯 伯 @mswataru
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