第7話

そんな様子を見て、本当の事を、異世界から来たことを告げるか悩む。

だが、先程真実を告げても信じてくれたウル達の様子から大丈夫だと思える自分も居る。

だが、今まで嘘をついていた事に裏切られたと感じられてしまうとかも知れない。

悩みながら、彼等の様子を窺う。

ウルとエルバはとても深刻な顔をして色々話している。バレない様にするにはどうするかとか、隠した方がいいんじゃないかなど。

自分の事を親身になって心配してくれている事がわかる。

これを見て確信した。彼等は味方になってくれる。

今までと異なる世界で初めて出会いここまで優しくしてくれた彼等を信じよう。


「聞いてください。」

ウルとエルバが何事かとこちらを向く。

「実は…」


それから、真実を話した。自分の事を出来る限り伝えた。この世界でない世界の記憶がある事。その世界での常識。以前の世界では、異世界転生と言う空想のお話がある事。

綺麗に順序立てて話すのは難しかった。

話が飛び飛びになったり、理解してもらえない事もあった。けれど、そんな信じられないような滑稽な話を彼等は真髄に聞いてくれた。

そして、話し足りないが大体を話し終えた。

「なるほど。話してる様子から嘘を言ってるとは思えない。それに、何かつまり物が取れたような気がする。」

「とりあえず、ルドに危険がないなら良かったな。」


その言葉を聞いた時、温かいものが頬を通った。

安心したからか、優しさに触れたからかはわからない。

けど、とめどなく涙が溢れてくるのだった。

その状況にウルはあたふたしながら涙を拭うものを渡してくれる、エルバは笑って肩に手を置いてくれる。


「と、取り乱してすいません。」

この年齢になって初めて泣いた。拭いても拭いても涙は止まらなかった。

「安心したんだろ、しょうがねぇよ。とりあえず、問題は無くなったって感じだな。他にも何か心配な事はあるか?」

エルバは優しく声を掛けてくれる。

「はい、もう大丈夫です。」

「そっか、それなら改めて飯にしようぜ」

エルバのその言葉に連れられるように、彼の後について行った。

その歩みは自分でも驚くほど足取りが軽く、これからの未来を示すようだった。

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