エピローグ
とある海辺の近くに、一軒のレストランがある。そこは長年一流ホテルで腕を磨いて来たシェフが独立して開店したお店だ。味の良さ、店主の人柄、そして聖女のように美しい女性がいることであっという間に評判となり、今では予約必須となっている。
そんなレストランだが、どうやら今日は同窓会ということで貸し切りしているらしい。
「久しぶりだな翔! こんな立派なレストラン構えて……いやーすげーよ」
「いやいや、そんなことないさ。いろんな人の助けがあったからこそ開店できたんだ。そういえば美優さんはどうした?」
「来たがってはいたんだがなあ……仕事が忙しくて来れないみたいだ。なんだ? まさか俺たちが別れたとでも思ってんのか? 舐めんな、俺たちのラブラブっぷりを」
「まあそうだよな……お」
「おっ久しぶりー! 元気してた二人とも?」
「のどか! 久しぶりだな。活躍はテレビで見てるよ、もう日本中が憧れるスター選手になって……すげえなあ」
「いやいやーそうでもあるかな! もっと褒めてくれていいんだよ!」
「相変わらず元気なやつだ。スターになっても性格は変わってなくて安心したよ」
「えへへ。にしても楽しみだなあー翔の料理。ドイツの料理も美味しいけど、やっぱ翔の料理が一番!」
「そう言ってもらえるとありがたいね。さてと、そろそろ俺も料理を作るか」
「ちょっと待て。この店の聖女様はどこ行ったんだ?」
「そうだよ翔! 私、すみかちゃんにすっごく会いたいんだけど!」
「あー。今写真取りに行ってるよ。もうすぐ帰ってくるは……お、噂をすれば」
「お待たせしました皆さん。お久しぶりです」
「わあ! すみかちゃんもっと美人になってる!」
「ほんと、翔には勿体無い奥さんだ」
「うるせえ。それにしてもすみか、体の方は大丈夫か?」
「ええ、大丈夫ですよ。お腹の赤ちゃんも、元気そうです」
「ええ!? 妊娠してるのすみかちゃん!」
「はい、まだ出産は先なのでお腹は出ていないですけど……」
「おめでとう! 先に言ってくれたらお祝い渡したのに!」
「この同窓会が決まった後に発覚したからな。いうタイミングがなかったんだ」
「なるほどなあ。んじゃ今日は俺たちが料理を運んだりしよう。九条さんに無理はさせられないし」
「そうだね、私も手伝うよ!」
「皆さん……ありがとうございます!」
「んじゃ早速作り始めますか。と、その前に写真撮ろう。どうせ料理作り始めたらそんな暇ないだろうし」
「お、いいね!」
「それじゃあ私がカメラ用意しますね。皆さんそこに立ってください」
「よーし」
「それじゃあ10秒前です」
「よしもうすぐだな、ハイチーズ!」
「お、よく撮れてる」
「……本当に、また皆さんと会えて嬉しいです。不思議ですね、高校生の時はこんな幸せな未来なんて想像もしてなかったのに……」
「俺も。なんかこうして幸せを噛み締めらて、もうすぐ自分の子供までできるなんて……人生何があるかわからないな」
「そうですね。これも全て、翔くんが私の胃袋とハートを鷲掴みしてくれたからですよ」
「ははっ、違いないな。俺もハートは掴まれてるけど」
「ちょっとなに二人でイチャいちゃしてるの! 嫉妬しちゃうよ!」
「早く料理を作ってくれ翔! そろそろ腹減った!」
「へいへい。んじゃ作るか」
ひょんな出会いからお互いを知って、そして仲良くなり……苦難を乗り越え恋人となった二人は今、とても幸せな生活を送っている。きっとこの幸せは、二人が一緒にいる限り、続いていくのだろう。
END
☆☆☆
これにて最終回です。長い間お付き合いいただきありがとうございます!
【年下の可愛い管理人さんが、俺の奥さんになるまで】https://kakuyomu.jp/works/1177354054922536566
新作の投稿も始めさせていただきました。よければこちらもよろしくお願いします!
気づいたら聖女様の胃袋とハートを鷲掴みにしてました 倉敷紺 @tomogainai
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