何気ない誕生日のクラッカーが、十年越しの悲劇へとつながる構成が見事でした。童話のような穏やかな雰囲気から一転、じわじわと不穏さが増していき、ラストでは鳥肌が立ちます。魔女なのか、それともすべてを見通していたのか――ミセス・ステンゲールの正体をあえて曖昧にした余韻も秀逸。
近所のすこし謎めいた女性を「魔女」と噂する少女たち。誕生会の日に、彼女はクッキーとともにみんなにクラッカーを配ってくれた。困った時に鳴らしたら、その答えを教えてくれる、と言い添えて。しかし、その結果は……。「魔女」という言葉の秘める、魅惑と恐怖、不思議と不吉がこめられた、この物語は魔法のクラッカーなのかも知れません。
⭐物語は三人称で進んでいますが、途中からアリスの一人称に代わりますね。どうもしっくりいかないような…。⭐主人公の親友に「アン・シャーリー」とつけた理由は何でしょう?私は「あ、これは本当の主役はアンなのか!?」と思ってしまいました。先生が「赤毛のアン」を一度読み返して、小道具をアメジストのブローチとかに替えたら、気がついた読者がニヤリとする作品になると思います。
もっと見る