無題
焼け落ちたマンションの地面の、更に土の中。
そこで蠢く蛹の姿が一つ。
蛹はどくん、どくんと脈打っている。
間もなく蛹の背中がひび割れて、中から何かが生まれ出でる。
人型で、ひときわ大きいハエ。
真夜中、土の中からセミのように這い出て来た。
映画であったようなハエ人間と形容するにふさわしいその姿は、自分の顔を手で撫で上げながら声を上げる。
「待っててね。今すぐ行くから」
マゴット 綿貫むじな @DRtanuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます