電撃的ジョブチェンジ

 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼






 夜中、轟音で目が覚めた。

 「何何何何⁉」

 家から出る。

 夜目は然程利かないから解らないが、特に目立った変化は無い。

 地面が濡れて後は昨日まで無かった塀が有るだけ。

 「気のせいか……寝よ。」

 翌朝までぐっすり寝た。

 この時既に、問題は起きていたのに。





 「なんじゃこりゃ!」

 山頂側の塀の隙間から泥水が漏れ、膨れていた。

 木に登って見ると、解った。

 土砂崩れが起きていた。

 緩くなった地面が崩れて石や木ごと崩れ、それをmy塀が堰き止めていた。

 「何じゃこりゃ!」

 後ろから声が聞こえた。

 どうやら麓の村から調べに来た人らしい。

 無許可建築がバレた。










 「有り難う御座います!」

 「いやいや。偶然だ。」

 どうもmy塀が土砂崩れを防いで麓の村を救ったらしい。

 という訳で今、俺は恩人として色々食わせて貰っていた。

 「あれは棟梁様が?」

 「ん?そう。」

 刀理雄を棟梁と聞き間違えたらしい。

 「良ければ………村の家を作って貰えますか?」

 「報酬は?」

 「食事くらいしか……」

 「契約成立!」

 俺は大工になった。

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異世界蜘蛛の大工さん 黒銘菓短編集3弾 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

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