異世界蜘蛛の大工さん 黒銘菓短編集3弾

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

異世界で快適ライフ

 「目が覚めるとそこは異世界で俺は2mの蜘蛛になっていた。」

 説明はそれだけ。俺の、山田刀理雄の劇的な転機なんて一行で済む。



 という訳で、蜘蛛の気ままな生活をしています。

 山の中、木々の間に糸を張って、そこに木の葉とかをペタペタして……簡素な家を作ってます。

 良いぜ。秘密基地感と浪漫が有る。

 基本、雑食だから木の実とか取って喰って。

 山の下の方には人里有るみたいだけど、止めとこ。怖がられる。




 あー……スローライフ最高だ。






 コロコロコロ

 最近、何か山の上からよく石が転がって来る。

 一個二個じゃなくて十個二十個。




 面倒だ。







 秘密基地を改造しよう。








 木々の間に糸張って、何回も何回も張って…しかして通気性は有る程度確保して。

 風通しは良し。しかして熊のタックルを弾き飛ばす塀の完成!



 張り切り過ぎて城壁みたいなのが出来たけど……気にしない!








 さぁて、働いたことですし、木の実喰って寝るか!

 家は蜘蛛糸性。頑丈さは折り紙付き。しかも塀が出来たお陰で警備会社要らずのセキュリティー。

 ベッドは蜘蛛糸性ハンモック。安心安全頑丈な蜘蛛糸だ。




 ポタ……ポタポタ………ザー!

 急な雨が降ってきましたが、問題ありません。

 木の葉と糸の多重構造屋根は雨漏り無効!





 材料は天然の素材と蜘蛛の糸。

 工期は数日。

 お値段何と、木の実15個!







商売出来るゼzzzz

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