青春 × eスポーツ小説でeスポーツの比重高め

スポーツ物の青春小説は数あれど、読んでみると「あれ、恋愛ばかりしている?」なんてことがよくあります。

それが良い悪いではなく、青春スポーツモノは「友情」「恋愛」「スポーツ」の3つの比重によってその作品の特色を出しています。

例えば、『バッテリー』なんかは「友情」に重きを置いてます。『スラムダンク』は「スポーツ」だと思います。『タッチ』は比較的「恋愛」を強く意識していますね。

さて、本作についてです。
本作はeスポーツを題材にした高校青春モノではあるのですが、「スポーツ」の比重高めという面白い作品です。
eスポーツという認知されていないスポーツを題材にする場合、普通なら「友情」に比重をおいて、例えば「ひきこもり少年がeスポーツを通して他者と向き合えるようになる」みたいな、それeスポーツの必要ある? みたいな題材でお茶を濁しがちです。(私なら絶対そうする)

しかし、本作は違う。
eスポーツものでeスポーツしてます!(これ、凄いことですよ)

『職業』や『金鉱』や『視界確保』などといったeスポーツ独特の知識や技術をちゃんと説明し、そして試合の経過からの成長までを描いています。このような作品は他にはないでしょう。

eスポーツを知らない人も、よく知っている人もちょっと読んでみてはいかがでしょうか?

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