あらすじ


 美奈子は憧れだった都会で働いていたが、仕事に追われて残業に残業を重ねる生活を送っていた。こんなはずじゃなかったとため息をこぼす日々。セクハラにパワハラを受けてもなお、仕事を続けていたのは、抱いていた憧れがあったからだった。しかし、母親から電話にて父の状態がよくないことを知らされて久しぶりに帰省することにする。


 田舎に帰ると、父は骨にひびが入ったということで入院していただけであった。その状態では、家業の米農家として働くことがままならない。そのために、農家を継いでほしいと言われる。

 悩んだ美奈子だったが、上司のセクハラが後押ししすぐに退職して実家に帰った。


 米農家の娘ではあるが、社会人になって手伝ったことはなく知識もない状態。まずは運転できないことには農業が出来ない。それゆえ、各種免許の取得から始める。

 農家としての知識は、父から学ぶ日々を送り始める。同時に兼業農家になれるよう、本職を探さねばならなかった。


 そんな中で美奈子が地元に戻ったことを知った、幼馴染の匠から連絡が来る。

 近所の離農者から土地を引き継ぐことになり、土地が広いために兼業ではなく専業農家にならないかと提案される。

 ひとりで決められず、匠に相談すると背中を押されて本格的に農家になることを決意した。


 春になり、肉体労働が始まる。筋肉痛と疲労がたまった中で休暇を与えられると匠と共に食事をすることになった。遅れた匠を待ちきれず、先にひとりで酔いつぶれてしまったものの、改めて匠から農業に従事することへの応援を受け取り、誠心誠意農業と向き合う。



 田おこしから田植えまで終えて梅雨に入ると、雨が増えて休みが多くなる。雨の日に美奈子は匠と共に出かけた。両片思いの二人はたまの休日を楽しむ。

 台風の日、買い物を頼まれた美奈子は近所のスーパーへ向かうと、綺麗な外国人女性・ドロシーに話しかけられる。聞きなれない言葉で話されて戸惑っていると、匠が彼女を迎えに来てすぐに去ってしまう。匠の彼女なのではないかという考えが払拭できぬまま日が過ぎていく。


 秋には稲刈りを行う。すっかり機械の扱いにも慣れてきており、稲刈りを父から任された。その際に父はどこかへ去ってしまう。多忙な時期にどこへ向かったのかと母に問えば、父は癌の手術を受けに行ったとのことだった。

 家族なのに秘密にされて落ち込むも、作業を止めてはならない。心のもやを抱えたまま、稲刈りを続けていく。


 作業中、近くで運動会が行われていた。そこから抜け出してきた匠と遭遇。匠の隣にはスーパーで声をかけてきたドロシーがいた。

 改めて匠から、彼女は匠の兄の奥さんであることを伝えられる。胸をなでおろすも、ドロシーは二人の関係を問い詰める。そして改めて匠から美奈子へ思いを伝えた。美奈子も頷き、付き合うことになる。


 稲刈り後、新米を美奈子家族に加えて匠も一緒に食べる。そしてその場で改めて両親の前で付き合ったこと、結婚も考えていると伝える。両親は祝福し、美奈子と匠は共に手を取り合って米作りをしていくのであった。

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農業女子はじめました 夏木 @0_AR

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