あとがき

太々しいほど長い、あとがき。

 こちらは、としての、長い「あとがき」です。


 この『オトコの海を泳ぎきれ〜実録・婚活ノート』は、私がカクヨムに登録して初めて書いた長編小説です。


 小説なんて書くつもりはなかったのに、どうしようもなく、時々、思い出されていたのです。

「そういえば、こんな人がいたなぁ」とか、「あの人、どうしてるかなぁ」と。

 そして、その中でもちょっと変わった人たちについて、どうしようもなく、どこかに書きたい、記録しておきたいと思っては、エッセイでは書きづらいかなぁ……という感じで、そのままにしてたのですが……。


「そうだ、小説というフィクションの形でなら出せるのでは?」と、ある日突然思い立って、それで書き始めたのがこちらでした。


 途中、冬にテンションが下がるせいもあって、長らく更新が途絶えたりもしましたが、幸い、奇特な方が掘り起こして読んでくださったことで、「せっかく読んでくれてるのに、その先が途切れているままじゃ申し訳ない!」と思い直し……。そこからなぜか毎日更新にこだわり、アワアワながらもコツコツと書き終えることができました。


 これも、エピソードを公開するたびに、すぐに読んでくださる方たちがいたおかげです。

 本当にありがとうございました。



 書き始めた時は、婚活の記録でありつつも、自分の中の比重としては「オトコ図鑑」のつもりでした。


 こういうオトコがいたよ……という記録と、それに対していちオンナがこう思ったよという感想や分析のようなもの。それが、ただの読み物でありながら、万一、誰かの恋愛や婚活の参考にでもなれば……くらいの軽い気持ちでスタートして、婚活ってどういう感じ? とか、婚活マーケットのシステムはこうだったとか、すぐに決まらないとこんなに大変だよ、といったウンチク話も多少散りばめられればいいな、と。


 実はタイトルも、未公開のまま何話か書き溜めてる段階では、単に「実録・婚活ノート」というエッセイ的な感じにしていました。


 が、書き進むにつれ、あのころの心境にリアルに戻っている自分に気づき、第三者的に突き放して書いていたスタンスから、だんだん自分自身が真奈絵に入り込んでいきました。

 そしてさらに、婚活でいろいろな憂き目に遭ってアップアップしていた当時は、まるで海で溺れてるかのようなイメージがずっとあったので、「オトコの海」「婚活の海」というテーマ(?)も出てきました。本編でも時々「海」になぞらえてますが、本当に実感としてはそういう感じだったのです。


 そのことを思い出した直後にタイトルを『オトコの海を〜』と改め、そのタイミングで公開に至ったという次第でした。


 思った以上に主人公に入り込んでいったせいなのか、肩の凝らない読み物のつもりが恋愛小説調になったりという思わぬハプニング(?)もたびたび起こってましたが……もしそのへんの違和感を感じた方がいたら、ひたすら「すみません」です。



 こうして今やっと書き終わったわけですが、本当は100話以内の完結を目指していたのに、ネタが多過ぎて書いても書いても終わらず、こんなに長くなってしまいました(約27万字!? 汗)。途中から、書きたかったことをどんどん削っていっても100話は無理でした(笑)。


 近況ノートで「この作品は結婚三部作の第一部ということにします」的なことを書いたのも、無理とわかった時でありまして、結婚に至る部分の夫と私にもっとフォーカスした詳細は、すでに別に書いていた『臆面もない日々ー私たち夫婦の物語ー』の方に完全に譲ることにし、本編でも登場させた占い(?)等の不思議な話の部分でもうちょっと面白いことがあったのも、前から書きたかった「スピリチュアルがらみの話や占いについてのエッセイ(or 物語)」の方に譲ることにし……。あくまで、こちらは婚活時代の話——ということにして、やっと完結できたというわけでした。



 言い訳めいた裏話はこのへんにして——。



 運命というのか縁というのか、「結婚」は不思議の塊です。

 世の中のたくさんの人の中で、たった二人がいっしょになるんですから。


 それぞれ事情は違いますけど、そうやって向かい合った二人が「どうやって上手くくっついて、その先もともにやっていけるのか、いけないのか……」。

 考えてみれば、結婚を人生に組み入れようとする人、組み入れた人は、人生の多くの部分がだったりしますよね。


 恋愛からすんなり結婚する人はあまり意識しないかもしれませんが、誰かとともに生きていこうとする時、自分がどうあるべきかを考えることは、すごく大事なことなのだなぁと思います。

 婚活をしてみてつくづく感じたのは、パートナーを得るために、もしかして自分は変わった方がいいのか、開き直ってそのままの自分を受け入れてくれる人を待つのかなどなど、実にいろんな考えやスタンスがあるんだなぁということでした。中には、考えなしで、ただ茫洋と自分をさらけ出してる人もいたのかもしれませんが。


 いつだったか、「男は火星人、女は金星人」という本が流行ったように、オトコとオンナは、基本的には、そのままではわかり合えない者同士なのだと思います。

 でも、わかり合えないということをわかったうえで、歩み寄ることはもちろん可能なわけで、私が婚活を通して得た結論の一つは、自分を知り、相手を知り、少しでも実のある人生を送れるようにするには、多少の努力はあってもいいのかなという単純なことです。


 偉そうにすみません。と言いつつ、もし、これからパートナーを得ようとしてる人や、いまパートナーとの何かに悩んでいる人がこちらを読んでくれた時に、ちょっとでも何か思うことがあったとしたら、私は泣いて喜ぶと思います(本当は、自己満足のために書いたくせに……笑)。



 というわけで、もともとは婚活の記録を書き残す目的でもあったので、自分だけのこだわりですが、本編でこぼれてしまったノート分は、番外編というおまけとして最後に付けさせていただきました。

 本当は婚活ももうちょっと長期間にわたってましたし、日記を掘り返せば、最低でもあと十人くらいはほかのオトコが出てくると思うのだけど、印象深く覚えている範囲に留めました。


 また、実話ベースではあるので、登場する人物の参考にさせていただいた方はいるのですが、足したり引いたり、変えたり入れ替えたり、縮めたり膨らませたり……の結果、完全フィクションになったことには間違いありません。

 なので、もし「自分のこと?」と思い当たる方がいたとしても、世の中には似たようなオトコがいるもんだということで、おおさめいただければ幸いです。



 最後に。


 読んでくださった方々へ、応援、コメント等のサポート、レビューをくださった方々へ、重ねて心からの感謝を申し上げます。


 執筆中にも、どれだけ励みになっていたかわかりません。


 本当にありがとうございました!


たまきみさえ



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