くぅ、キューッとしてる。まだしてる。こう胸が苦しい。どこかにこの飴売ってませんか?涙が出るくらい酸っぱいレモン味の飴。うちも味わいたい。いろいろあってもまた恋がしたくなる。恋愛っていいなあと思える素敵な作品です。
佐藤春夫は『秋刀魚の歌』で秋刀魚苦いか塩っぱいか(※原文は旧仮名遣い)と述べた。 本作は差し詰め『レモン甘いか酸っぱいか』といったところか。 娯楽作品として登場人物の配置や台詞の一つ一つが丁寧に研磨され描き抜かれている一方で、純文学としての余韻も感じさせる。 恋愛を結晶化した飴玉のような傑作。
野々ちえさんもう恋愛マスター、じゃないか恋愛小説マスターといっても過言ではありませぬ。シリーズ通して読んでいる読者にも配慮しつつスーパー酸っぱい飴という小道具を使って読者を身もだえさせます。ほっぺがすぼまります。でも、スーパー酸っぱくても舐めてると甘く感じられてくるんですよね。ぐはっ。
彼女の好きな味はすっぱいものではなく甘いレモンだった。そしてそれから恋に繋がっていく短編です。
砂糖ゼロな酸っぱさを誇る彼女のレモン飴。それすら弾くほどのアマアマな内容に、叫びたくなるけれど。その部分は多くのレビューで触れられているので、サブキャラのチーフに焦点を当てていきたいと思います。そっと背中を押してあげる。余計なことはせずに、必要な分だけほんのすこし。そんな大人になっていきたい。
これほどに甘酸っぱい恋はないでしょう。同題異話の話です。ストーレートに回答してますね。作者様の関連作品を読んでいると、おなじみのキャラが出てきて、微笑ましいです。
酸っぱいとわかってても、なめたい飴がある。なぜなら「酸っぱさ」を知ってこそ感じられる「甘さ」があるから──。これはそんなお話なのですが。この2人を見ていると、なんだか羨ましくて悔しくて、思わずその「酸っぱい飴」を口の中いっぱいに放り込みたくなってしまいます。さぁ、あなたも一粒いかがです?この2人を見ながら、2人に比べた時の自分の人生の酸っぱさを味わいましょう!
「恋の味」というと皆様はどんな味を思い浮かべるでしょうか? 私は甘い味を思い浮かべます。けれど、この恋はどうやらすっぱい味がするようです。少しひねくれているのかもしれないけれど、可愛らしいお話でした。
失恋の痛手を引きずっている主人公。最近、彼はちょっと気になる相手がいて……彼女はレモン味の飴を彼にくれるのだが、嫌がらせレベルで酸っぱい。なぜ、そんなことを……? 訳は、ちょっとめんどくさい心理が絡んでいます。いいかんじでめんどくさい。もちろん、褒めてます。面白いです。微笑ましくニマニマする作品です。読後、口の中に甘酸っぱいレモン味が広がることでしょう。