おちんちんが腐りかけた時のはなし(実話)(かんとん包茎)

竜田川高架線

全身麻酔で切断ですね

 これは、僕が小学三年生だったときの話だ。



 ある日、風呂に入るとき、親父から以前よりしつこく言われていたことがあった。



「お前、はやくちんこの皮むけよ」「オレがお前の年の頃にはすでに剥けてたぞ」



 そして、その日は特にしつこかった。普段、ほとんど家に帰ってこない親父が、珍しく家にいて、そして「今日こそちんこの皮むけ」と本当にうるさかった。

 

 この時、自分のおちんちんの先端がとがっているのと、大人たちのそれの先端が丸いという違いがやっと理解できた時だったと思う。



 そして、僕は意を決して、おちんちんの皮をむいた。



 はじめはめちゃくちゃ痛かった。なんか、痛かった。とても痛かった。

 親父は「最初はそんなものだ」と言っていたから、痛いのは気にしなかった。



 そして、その痛いのがしばらく続いた。具体的には一週間以上。



 やがて、おちんちんの形は変わっていった。

 

 そのおちんちんは、まるでタラコが巻き付いたみたいに剥いた皮の部分がひどく腫れていた。

 先っぽの血色も悪くなって、おしっこも出すときはひどく痛み、飛び散るようになった。

 親父はそれでも「大丈夫だ」と言ってきかない。

 歩くだけでも痛いのに、最悪だ。誰にも相談などできない。



 痛がる僕を心配して、母が「見せてみろ」という。

 意を決して見せた僕は、そのまま小児科に強制連行された。



 やっと治るのか、そう思っていた。だが、そうはならなかった。

 かかりつけの病院で、いつもは優しい医者の先生。だが、その時だけは違った。

 マジで「なんでこうなるまで放置したんだ!」と母親にブチギレ、完全にとばっちりを食らった母親は涙目だったという。

 「うちではどうにもできない」

 そういわれて、医者の先生はあちらこちらへ電話を掛けた。そして、ここに行けと紹介状を渡された。

 

 順天堂



 車を飛ばしてやってきた、順天堂の病院の皮膚科。



 入った診察室では、超絶顔が良い若い高身長の白衣男子が待っていた。

 そこでは、ベッドに横になってくれと指示を受け、下半身をさらけ出し死にかけのおちんちんを晒し散らしながら仰向けになった。

 子どもながら、ひどい羞恥を受けた。



 そして、イケメン医師と母親との間で交わされる会話は「最悪、全身麻酔で切断ですね」というものだった。恐ろしかった。僕のおちんちんは切られるのか、と。



 曰く、皮をむいたときに、その皮が小さく、おちんちんを締め付ける状況になっていたという。そして、そのせいで血管が圧迫されて血流が悪くなり、それを暫く放置したせいで、壊死の寸前だという。

 いわゆる嵌頓かんとん包茎というやつ。



 そして、診察室にはもう一人の眼鏡をかけたイケメン医師が登場、なにか会話を交わした後、僕ににっこり笑いながら「ちょっと痛くなるけど我慢してね」と言った。



 そしてそのまま、僕のおちんちんをつかんだ。



 つかんで、引っ張って、戻して、引っ張って



 ぐいっ、ぐいっ、ぶるんっ



 効果音はこんな感じで、皮が戻った。



 ちょっとどころではなかった。人生で一番痛かった。本当に痛かった。死ぬかと思ったというか、死んだほうがましだった。

 

 痛みに顔をゆがませて、それでも僕はおちんちんを見た。

 いびつながらも、元のとがったおちんちんに戻っていた。



 あれから、10年経った。


 僕のおちんちんは今日も元気だ。

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おちんちんが腐りかけた時のはなし(実話)(かんとん包茎) 竜田川高架線 @koukasen

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