第3話【食べ応えがありました】
気配に気付いて目を覚ましたが、開口一番。
「遅ぇぞ、酒はまだか」
「ホンット使えねーな!テメエみたいな愚図は帰ってこなきゃ良かったんだ!」
父親が酒を買いに行くのに同行する。
財布を出した状態で軽く体当たり。お金を落とさせる。また殴られた。
拾おうと屈んだタイミングで、スロットが回る。お馴染みの音楽を軽快に奏でて。
ー444ー
「お父さん、わたしもね、帰ってこなくていいって思ってるの。
だから、一緒だね」
父親は自動販売機に飲み込まれていった。
少女はクスクスと笑っている。
数年ぶりの笑顔だった。
「やっと当たりだよ、お婆さん」
人喰い自動販売機 秋雨千尋 @akisamechihiro
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