第4話

「んーーーっ…!!」


朝の街のざわつきと共に目を覚ます。

今まで有り得なかった早寝早起きの生活。

異世界に転移させられて1週間が経ち、通勤時間片道1時間の縛りがなくなったせいで非常に健康的な生活が送れている。


まぁ、店はひどく暇なんだけどな。


ささっ、と身支度を整えて下の売り場に行き店を開ける。

レジカウンターにあるパソコンを開けば店の社長からメールが1件。


『市場調査よろ。』


至極簡単に書かれたメールに溜め息が出る。

転移された翌日、俺の元いた世界ではちょっとした大騒ぎになったらしい。

なにせ、1晩で建物が石の塊になっていて受け渡し口と書かれた扉だけがバンッとついていたらしい。

美人巨乳女神のエニに文句を言いたくて悶々としていたら、急に眩暈に襲われ倒れていたら同じく眩暈で倒れたらしい社長と謎の空間に召喚されて、その場にいたエニがまた1から社長に説明してくれていた。


金の亡者の社長は自分が給料を払う義務がなくなり、尚且つ、異世界という未知の市場への期待に大手を振って送り出してくれた。

なんちゅーブラック企業だ…まったく。


まぁ。そんなわけで社長からと受注発注のメールのやり取りができるこのパソコン。

実はこれが1番チートなんじゃね?と思いながらも、社長に返信して店を開ける。


この1週間でわかったことは一般市民の識字率の低さと文明レベルの低さだ。

だから、店先に看板をだしても字が読めないから無意味で扉が閉まったままでは誰も店に入ってこない。

扉を全開で開け、わかりやすいように店先にラックにかかったコスプレ衣装を並べる。

これで興味を引かれた人がたまに入ってくるのだ。

まぁ、そんなやつ1日に3人がいいとこで全然店は暇なんだけどな。



街に昼を告げる鐘が鳴った頃、1度店を締めてこちらに転移してから何度目かの外出。

最初は俺のTシャツジーパンにエプロンという姿に奇異の目を向けていた街の住人達も少し慣れてきてくれたみたいで、意外とフレンドリーに話し掛けてくれるようになった。

店のそばにある大衆食堂は絶品で、看板娘の水色髪のエルフちゃんがめちゃくちゃ可愛い。

ここを見つけてからはほぼ、毎日昼と夜通っている。


「いらっしゃい、今日は何にします?」

エルフちゃんが水を出してくれながら注文を聞いてくれている。

「んー、今日は魚定食で」

「はぁい!ちょっと待っててね!」

エルフちゃんのぴょこんと跳ねる長い耳が可愛い。

厨房へとオーダーを通しに行く後ろ姿をほんわかした気分で眺めていれば、後ろの席に座った女性4人グループの会話が耳に入ってきた。


「ホンットにあの客有り得ない!モル草無しでいれてくんのよ?!」

「出来たらどうすんだ、って感じよねぇ」


モル草?

なんだそれ、と思いつつも話の流れからして性的サービスを提供する店のお姉さん達であろう。

たわわなおっぱいと、煙管を吹かすその姿が色っぽいこと。

「お魚定食、お待たせしましたー」

後ろの席の会話に聞き耳を立てていれば、エルフちゃんが食事を運んできてくれた。

「なぁ、モル草って知ってるか?」

ちょうどいいや、とエルフちゃんにモル草とは何かと尋ねればボッと一気に顔が真っ赤になりアワアワと口を動かしている。

「あ、あ、あ、あのっ、そ、そ、それ、それは、その、あの、えっと…」

どうした?と言いたくなるレベルで動揺しているエルフちゃんは持っていた盆で顔を隠し厨房へと消えていってしまった。


「にぃちゃん困るよー。エルフって種族は性的な行為とは無縁なんだからよー。」

厨房から出てきた強面のヒューマン族の店主にお叱りを受けた。

まぁ、顔馴染みだから怒ってるというよりかは困っちゃうんだよね。というような感じで話してくれている。

ちなみにヒューマン族は俺たちみたいな人間のことをこの世界では指す。

人口の割合はヒューマン4、獣人3、エルフ2、魔族1って順だ。

「いやぁ、あんなに過度に反応されるとは思わなくて…ごめんなさい」

「兄ちゃん田舎から出てきたばっかりで知らねぇんだろうけど、エルフってやつらは番でしか子作りしねぇし、捕まって奴隷にされるやつが多くて番以外との性的な事は悪で恥ずべき行為って教えられてるんだ」

「あー。だから、あんなに顔真っ赤だったんですね」


そう。もの知らずの俺はこの店の店主には田舎から出てきたばっかりのひよっこだと思われてるのだ。

ごめんよ日本。

俺のせいでこんな文明レベルで大負けしてる異世界人に田舎とか呼ばさせてしまって。


「んで、兄ちゃんの田舎にはモル草がねぇわけじゃねぇだろ?」


昼時が過ぎて客の減った店内で店主が俺の目の前に座り、話を聞いてくれる姿勢を取ってくれる。

「モル草ってなんですか?聞いたことも無くて…」

本当の事を話せば店主が目を丸くする。

「それじゃあ子供が増える一方じゃねぇか。お前の田舎は子沢山ばっかりなのか?」

あー。なるほど。

モル草は多分、この世界の避妊具だ。

草なのか…避妊具…。

ちょっと待ってろ、と言われ店の奥に消えてった店主が戻ってきた時に持っていたのは笹の葉のような長細い形状だ。

「これがモル草。1枚いるか?」

手渡されたそれをまじまじと見る。

まぁ、なんとなく男性器に似てなくもないがどうやって使うんだこれ。

「モル草を使う時は、下をこう割いて筒状にしてチンチンに被せて使うんだ」

ほうほう、これがコンドーム代わりになるのか…。

いや、硬いし分厚すぎんだろ…。


異世界の兄貴分からモル草の使い方のレクチャーを受け、1枚もらって店に戻った。

そのまま店は開けないで自室の3階へ。


「異世界のコンドーム、確かめなきゃだよな!」


お気に入りのオナホール「天下一穴」をここでチョイス。

これはココ最近の売れ筋ランキング1で人気も高い。

まったり系だが吸い付きは良く、評価サイトでは本物志向だとなかなか高評価だ。


温めたローションを天下一穴に流し込み、オナニー大好きな俺の息子にさっき貰ったモル草を付ける。

着け心地は…まぁ、悪い。

なんだろう、サランラップ巻いた方がまだ良いんじゃねぇかな。と思うレベルのギシギシ感だ。

最悪の着け心地にちょっと息子が萎えたが、ここは最近巷で押しに押してるVRの出番!

お気に入りの女優さんの動画を選び、モル草装着済の息子を挿入に合わせて天下一穴にいれる。



「は…?」


スコスコスコと天下一穴を動かすも全っ然、気持ちよくない。

あんなにお気に入りなのに?

いや、まぁ擦れてる感じはあるが非常に刺激が微弱だ。

所詮は葉っぱ…。

日本の素晴らしいゴムの技術に比べたらもう比較するのも申し訳ないくらいひどい。

クソ、と思いながら一旦、息子を抜きモル草を外して天下一穴に息子をいれる。



んほほおおおぉ、これこれ。

このまったり感。

息子に絡みつく天下一穴は最高だ。

ビュッと中に精子をだして、VRゴーグルを外す。

ハァハァと荒い息を整えて心に誓う。

息子はまだギンギンだ。


俺やるべき事がわかったぜ、エニ!!!

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異世界の玩具屋さん しゃのあーる @hikasen0323

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