人と魔獣が争う世界、治安維持組織ガードの日本支部メンバーは人を喰らう魔獣相手に日々死闘を繰り広げていた。知性と理性、そして感情も併せ持つ魔獣に対し、一部のメンバーは疑問を抱く。行きつく先はどちらかの滅亡か、それとも共存か。
この『Human and Beast』の魅力は善と悪との対立ではなく、敵と味方、そしてその狭間で苦悩するドラマだと思います。戦いの意味に疑問を持っていくそれぞれの陣営の有力者、戦いの意義に疑問を持ち始める主人公たち、そして古参に反抗し、急進的な攻撃をする若い世代の魔獣たち‥‥。どこかで止めれば犠牲はなくなるはずなのに、これまでお互いに殺した憎しみから止められない。そして人が家畜を食するように、魔獣も人を食するという自然の摂理も武器を取る理由となり、誰もこの流れを止めることはできませんでした。
特に中盤以降の南雲恭司を中心とした戦いと和解への葛藤は、この作品の魅力を深めていくことだと思います。詳細は読んでいただくとして、魔獣が人に化して交友できた場合、敵が自分たちと同じ価値観を持ちえ、共に過ごすことができたのならば、この戦いは憎しみではなく悲劇となるのでしょう。戦いの果てに人と魔獣が手にするものは何か、ぜひ両陣営の立場に立って読み解いていってほしい作品です。
最後に個人的に一番印象深かったキャラクターは藤堂省吾です。彼こそHuman and Beastのタイトルの「and」に立っていた存在だったと思っています。
この作品は治安維持組織「ガード」と、人類を脅かす怪物「魔獣」との戦いを描いた作品です。
長年壮絶な戦いを繰り広げてきた両者。いつ終わるとも分からない日々を過ごし、黒い陰謀が渦巻く世界。
そんな世界で、ガードのメンバーである御堂圭介は強くなりたいと願いながら、戦いの日々を送っていた。
しかし、いつしか「本当に戦い続けるしか道はないのだろうか」と、葛藤が心の中に渦巻き始める。
強くなければ何も守れない世界で、優しくありたいと願う少年。
彼らの戦いの先に広がる景色は、どんな景色をしているだろう。
描写がとにかくお上手で、頭の中でキャラクター達が躍ります。そして、心情背景も丁寧なので、彼らの声が胸に響きます。
ぜひ、多くの人に読んでいただきたい作品です!
怒涛の展開で一気に読みました。
アクションシーンでも読みやすい文章力の高さはもちろんのこと、なんといってもキャラクターが、いいッ!
教官である恭司の男気溢れる様!
主人公である圭介と、ヒロインである茜の、今のところ、あくまで相棒である絶妙な距離感! でも、二人はお互いを常に気遣っている。それが、よくある、ありきたりな関係性でなくて、いいッ!
なんといっても、このヒロインの茜ちゃんが、カッコカワイイ宣言。
知的で落ち着いていて、コメントでも叫んでしまったのですが、すごく好きです。ただのヒロインじゃないんです。本当にカッコイイ!
ストーリー性もすごく、魔獣側のことも分かってきて……。
続きが気になる!
とにかく、この作品はすばらしい!
多くの人に読んで欲しい。一気にガードメンバーになったような気持ちになれます。とにかく、この作品が一人でも多くの人の目に触れて欲しい! 君に届けッーーーーー!!!
あっ、すみません……。