磨き上げられたナイフのような、一切の無駄がない文体が印象的。特に「埃の匂い」が好きです。たった二文字なのになぜこんなにも強く、味わい深いんでしょう。青空に両手を広げた血塗れの女の姿が思い浮かぶ…続きを読む
人は怒ると、普通、言葉が乱れます。怒気にあふれた声や言葉には、近寄りがたいものがあるし、あまり見栄えがいいとはいえない。怒りが憎悪にまで高まると、言葉はなおさら醜くなることが多いでしょう。だから、怒…続きを読む
ナイフで誰かを傷つけてしまわないようにするあまり、自分を傷つけてしまうのではないか、という危うさを時折感じます。一方で、その危うさも苦しみも乗り越えていこうとする強さも感じます。止まった足を前に進…続きを読む
この詩集の主人公には、カッコ悪い自分に絶望しながら、その絶望さえも血や肉に変えてしまうようなカッコ良さがある。痛みも苦しみも、時には怒りや自身の活力に変え、ただ生きる。その熱量から目を離せるはず…続きを読む
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