概要
前を向いて歩き出した少女の踵から春の音が鳴った。
部屋着のままで出歩くことにも慣れてしまった。
だけど今日のそれが高校時代の指定ジャージだと気がついた時には、思わず自嘲的な笑みがこぼれた。
まるで新品のように状態がいいことが自尊心の甘噛みに拍車をかける。サンダルをつっかけてて地面を蹴る。
想像していたよりも少し肌寒かった。10年前から何も変わっていやしない。自分も。世界も。顔は少しやつれていた。
だけど今日のそれが高校時代の指定ジャージだと気がついた時には、思わず自嘲的な笑みがこぼれた。
まるで新品のように状態がいいことが自尊心の甘噛みに拍車をかける。サンダルをつっかけてて地面を蹴る。
想像していたよりも少し肌寒かった。10年前から何も変わっていやしない。自分も。世界も。顔は少しやつれていた。
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