二人は夕焼けに包まれて。


「僕は眠いんだ」


「知ってるぞ。顔が眠そうだ」


 花は机に突っ伏し、半目でウトウトしている。いつどんなタイミングで寝てしまってもおかしくない。


 教室には二人だけ。周りの生徒は部活や家に帰ったため、誰一人いないのだ。


 ────橙色に染まった教室は、まるで二人だけの空間だ。


「帰らないのか」


「寝る」


「よし、なら────俺も一緒に寝る」


「ご勝手に」


 対面に机をくっつけ、蘭は机に突っ伏し寝始めた。二人の安らかな寝息だけが、教室内で優しく奏でるのだった。

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僕と君は友達だと思うんだ。 緑乃鴉 @takuan66

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