補習

@Haru_rio

第1話

 ねぇ

 「先生、首をしめてもいいわ。うちに帰りたくない。」

 カーテンが揺れる音がした

 先生の息と、私の鼓動

 目に映る自分と目が合った

 川端康成か、お前にはまだ早いよ

 先生はそう言って笑った

 先生は知らない

 本当は国語が好きなこと

 本を読むのが好きなこと

 私は知ってる

 先生が好きなもの全部

 コーヒーにはスティックシュガー2分の1

 ミルクは入れない

 文学作品

 年下の彼女

 生まれた時期が違うだけで

 なんで諦めないといけないの

 ねぇ、先生

 だから私は記憶になりたいの

 このフレーズを読む度に

 ページをめくる度に

 表紙に触れる度に

 私を思い出して

 

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