機械不憫童子

　目の前は血の海で染まる。
　辺りには大人の死体が足をふむ場をなくすように転がっている。
　大人によって全てを失った子供。朦朧とする意識を保とうとしなくても、勝手に保つようにされている。

「私の望んだことじゃないよぉ…」

　機械の心臓で動いていると信じる少女、ヒルカ。

　感情はあっても涙は出ない、悲しいとゆう感情だけは無い。

「これが大人の『希望』なんだってさ」

　機械で動いている心臓を作った大人に感謝をするべきだと訴える少年、リラ。

「異常はないよ」
　
　機械の心臓のチェックをする青年、グラデス。

　この三人が織り成す悲劇の物語──

　刮目せよ。この度に生まれてきた子よ。

　命の大切さを知るが良い。