泣いて泣いて、笑って泣いて
- ★★★ Excellent!!!
ボケに突っ込んで魔を払う、となると、軽快なコメディを想像します。
しかし、本作はそうはなりません。
まぜ魔が生まれたのか。その背景に見えるどろりとした情念。それを払う方法もツッコミだけではないことが明かされます。
読んでいて悲しくなる場面もあります。軽薄な話だと思っていると見事に裏切られます。
それでも、です。
それでも笑いに意味はある。人間という存在は辛いから笑いに意味がある。少年が笑いを選んだ意味が胸にしみます。
読まれる際にはハンカチのご準備を。ちゃんと笑い泣かせますから。