泣いて泣いて、笑って泣いて

ボケに突っ込んで魔を払う、となると、軽快なコメディを想像します。

しかし、本作はそうはなりません。

まぜ魔が生まれたのか。その背景に見えるどろりとした情念。それを払う方法もツッコミだけではないことが明かされます。

読んでいて悲しくなる場面もあります。軽薄な話だと思っていると見事に裏切られます。

それでも、です。

それでも笑いに意味はある。人間という存在は辛いから笑いに意味がある。少年が笑いを選んだ意味が胸にしみます。

読まれる際にはハンカチのご準備を。ちゃんと笑い泣かせますから。

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