キリエス・リジェネシス ～死にぞこない男と幽霊ガールの怪獣討伐記～

Tips 16. 虚蛇「ガゾルム」データファイル

【空で大音響が轟いた。

　雷に似ているような気もしたが、規模はそれよりもはるかに大きい。魂そのものを根源から揺さぶるような呼び声に誘われて、もう一度だけ空へと目を戻す。

　赤い異次元の彼方から、地上に向かって垂れ下がるように、蛇の頭が突き出してくるのが見えた】

◆基本データ◆

　コードネーム：ガゾルム

　種別：虚蛇

　身長：計測不能

　体重：計測不能

　登場エピソード：第十話「冬の終わる日」

◆解説◆

　最強最後のレキウム系怪獣。ロプターの次元を滅亡させた怪獣であり、その実態は破滅の運命の化身である。

　発生させるレキウムはきわめて高濃度で、ガゾルムの出現した空域を航行した戦闘機のシステムがダウンするほど。また、レキウムの集合体であるその体は一切の物理的攻撃を無効化する。事実上においても理論上においても人類がガゾルムを打倒しうる手段はまったく存在しない。

　鋭い牙を持つが、それを攻撃に用いることはない。ガゾルムの咆哮「レッキングハウル」は世界そのものを破砕し崩壊させるため、戦闘という行為を行う機会がそもそも訪れないのである。――次元を渡り歩ける相手以外には。