前置きとして、私はアクアリウム経験はありません。
興味があるかと言われれば、見るのは楽しそう、という程度でした。
そんな私が、たまたまこの作品を見つけて。
素敵な作品でした。
アクアリウムを縁として、深まってゆく少女たちの仲、その活き活きとした躍動と個性が、飽きることなく読む手を進めさせてくれました。
そして物語の軸であるアクアリウムも、目の前に水槽があって、彼女たちと一緒に育てていくように、自分の感性に染み込んでゆくような感覚でした。
実際にアクアリウムをしている方が、アクアリウムを楽しんでもらいたいと願いながら書いているのだろうと伝わります。
これを読んで、アクアリウムをたとえ始めなかったとしても。
たとえば街の中、何かのビルのディスプレイ、そこに水槽を見つけたら、今までよりも一段深く魚やレイアウトを観察するだろうという確信。
そんな感性を根付かせてくれる作品だと、私は思います。
それはきっと、素敵なことだと思います。
高校生の由那は、同級生である琴音と熱帯魚ショップで出会い、アクアリストとして弟子入りを志願する。
やがて仲間も増えて部活動を作ったり、コンクールに出場することになったりと、由那のアクアライフはどんどん充実していきます。
登場人物たちの関係性の変化がとても良かったです!
少しずつ仲良くなっていく過程が丁寧に描かれていて、由那や琴音と一緒に悩んだり考えたりしながら読み進めることができました。
文章のリズムも好みで、読みやすかったです。
本格的なアクアリウムの知識もすごかったです。アクアリウムを始めたくなってしまうくらいに、魅力が伝わってきました。
ネイチャーアクアリウム、良いですね!
最終話も最高でした。
そこでそのワードを出してくるのね!ありがとうございます!好き!ってなりました。
癒しと優しさに満ち溢れた素敵な作品です!
熱帯魚愛好家「アクアリスト」の二人が繰り広げる青春グラフィティ。
アクアリストが趣味の主人公は、行きつけのショップでクラスメイトが熱帯魚を眺めているのを発見する。
興味があるのか聞いてみると、「一人が寂しいから飼いたい」とのこと。
しかし、まったく知識がないので不安は募る。
ヒロインは、主人公に自分を指導してくれないかと頼む。
腐れ縁の友人や、水草のレイアウトにお嬢様に囲まれ、主人公とヒロインは絆を深めていく。
後に、四人は学校からの依頼で、アクアリウムの部活を立ち上げることとなった。
いわゆる「ゆるキャン」や、今年アニメ化する「スーパーカブ」のような、
「おっさん趣味にハマるJK」
ものである。
たいていの趣味系小説は知識・ウンチクに文章が偏りがちだが、本作は決して退屈しない。
必要な知識が進行とともに語られるので、構成が実に丁寧だ。
なので、自然と知恵が頭に入るため、ストレスがない。
専門用語が多いのだが、そこまで頭がパンクしないので、楽しめるかと。
相手の家にお邪魔する、お祭りを二人で回るなどの、ドキドキ百合イベントやハプニングが豊富である。
あまりベタベタせず、本格的な百合とはいい難いが、個人的にはこれくらいの百合がちょうどいい。
熱帯魚なんて興味がない?
全く問題ありません。
もちろん知っている程に共感はあるもので、そういう楽しみ方は一つの理想。
しかしながら知らない、興味ない、そんな人でも楽しく読めてしまう要素がふんだんに盛り込まれているのがこの作品。
過度な装飾のないJK達の微笑ましい清涼感溢れるやりとり
ただの趣味の紹介に終わらない、ストーリーへの引きこみ方
魅力的な登場人物達の心の動き……そしてソフトな百合。
どれか一つでもハマれば、しっかりと引きずり込んでくれるでしょう。
ガッチガチのアクアリウム知識も目を瞠るものがあり、全然知らないものでも丁寧な説明でわかりやすく、
そのどれもが上手いことストーリーに組み込まれているので、目が滑ることもありません。
趣味開拓作品なら「漫画でないこと」がディスアドバンテージになりそうなものですが、
とくにそれを感じることもなく読み進められるのは作者様の技量によるものでしょう。
ただ魚への愛情をぶつけるだけでなく、趣味への導線として確かなものになっています。
読みながら熱帯魚の画像を検索したりすれば楽しみも更に倍増。
ほんの少し知ってたくらいの私には、「え、コイツめっちゃカッコいいじゃん」と絶句するヤツらが沢山いました。
個人的には新しいものに頑張る主人公、小清水の姿が一番好きです。
初めてのことに四苦八苦したり、予想外のことに動転したり、一つやりきった時の達成感、
完成に至るまでのワクワクと、未知への挑戦の醍醐味に共感できる部分が非常に多く、感情移入せざるをえません。
熱帯魚に興味がある方も、未だ全然知らない方も、この作品でまた青春を体験できることは間違いでしょう。
日本におけるペット界の雄は間違いなく犬と猫である。温かい体温があって、触れ合えて、おなじ空間で家族のように生活できて、なおかつ餌とトイレの問題もコンビニに売られている商品で簡単に解決できる。これほどペットとしてうってつけの生物もあるまい。
しかし。
変温動物ゆえに体温がなく、そもそも水中にいるので触れることはほぼできず、飼い主とは互いに水槽のガラスで隔てられ、餌はまずコンビニには売られてないし、ウンチもオシッコも垂れ流し、掃除をしようものならだいたい床に水がこぼれる、そういうめんどうな生物――熱帯魚を好き好んで飼いたがる人間も、じつに多く存在する。
熱帯魚の飼育はそれほどにめんどうか? イエス。趣味は、と訊かれて、犬や猫を飼っていますとは、ふつう、言わない。だが、熱帯魚を飼っています、観賞魚飼育です、アクアリウムです、これは回答として成立する。趣味とは例外なくめんどうなものである。お金にならないしめんどうなのに、好き好んでやるから、趣味なのである。つまり、熱帯魚を飼うアクアリウムの維持というものは、「趣味」といえるほど、めんどうなものなのである。
だが、めんどうであるがゆえに、それを越える過程には、そして越えたさきには、アクアリウムをやらなかったら絶対に見えなかった景色が広がっている。
話は変わるが、日本人はむかしから女の子というものが大好きである。どれくらい好きかというと、男ばかりの職場だった浮世絵工房の職人たちを女性に置き換えてみた、という絵を江戸時代に歌川国貞が「今様見立士農工商職人」として制作するくらいである。
本作「アクアデイズ」では、華の女子高生たちが、アクアリウムという一個の小宇宙に魅せられ、熱帯魚を飼育している人――アクアリストの第一歩を踏みだす過程が、じつに瑞々しく描かれている。女の子たちが互いに影響を与えあい、アクアリウムの先輩として教える側も、初心者の独特で率直な観点に「オッ」と唸らされたりもする。そうして、ただ一方通行で「これはこうで……」と押しつけるのではなく、きちんとコミュニケーションをとり、変化しあいながら、より絆を深め、そして新たな出会いにより繋がりを広げていく。本作はアクアリウムの入門書でもありながら、女の子たちの群像劇でもある。
ひとくちに熱帯魚といっても、色とりどりの泳ぐ宝石、あるいは奇々怪々な小さな怪獣みたいなものなど、おどろくほど個性的な面々がつぎつぎ登場するが、迎え撃つ女の子たちのキャラクターもまた負けていない。熱帯魚雑誌に連載されていてもなんらおかしくはない。
まさに、女の子+熱帯魚の可能性は、無限大なのである。
アクアリストの女子高生が、アクアリウムに興味を持ちはじめた初心者同級生に、水槽立ち上げからお魚選びに至るまで丁寧に教えてゆく……という流れの友情青春小説。アクアリウム指南作品でもあります。
この分野にまったく触れたことのなかった私ですが、この作品に描かれている世界は優しく、紹介されているお魚たちもユーモラスで可愛らしくて、すっかりアクアリウムの魅力に引き込まれてしまいました。
書籍の形で図解付き(あるいはマンガなど)で読みたいくらいですが、モバイル片手に名前を検索しながら読むだけでも、作品を通して作者様がお魚たちに向ける愛情が伝わってきます。
(個人的な驚きポイント、ライギョの仲間があんなに綺麗で可愛いだなんて…!)
ようやくお迎えするお魚が決まったところまで読みました。
日々の癒しに引き続きのんびりと読み進めたい、素敵な物語です。
お魚を飼育したい女子高生の小清水が、偶然出会ったアクアリストの琴音や友人たちとともに、アクアリウムについて学び、お気に入りの生き物を見つけ、お迎えしていく物語。
小動物のように可愛く初々しい小清水、一見クールだけれど優しく教え上手な琴音、気さくでお調子者の千尋、真面目なお嬢様キャラの莉緒。登場するキャラクターはみなさん可愛らしく、ほのぼのとした物語が展開されていきます。
なによりも、アクアリウムの知識が豊富に、かつ、わかりやすく詰め込まれていて、唸るものばかり。魚に関して初心者の私は、「こんな魚がいるのか!」とたくさんの発見と驚きがありました。
さらに魚についてだけでなく、設備や飼い方についても詳しくレクチャーされています。
まるで主人公の小清水と一緒に、一からアクアリウムについて学んでいる感覚になりました。
少女たちのゆるふわな掛け合いも楽しく、時折おこるハプニングに口もとが緩むことも。
キャッチコピーどおり、ゆるゆると楽しめるガチな知識。
アクアリウムを知っている方はもちろん、知らない方も、その魅力を楽しんでみてください!
アクアリストの世界は、私は正直無知でしたが、軽い気持ちで拝読したところ、その奥深さに驚きを禁じ得ませんでした☆
熱帯魚飼育を始めようとした女子高生が、アクアリストの同級生にノウハウを教えてもらうわけですが、注意点とその理由を詳しく分かりやすく説明してくれているので、思わず私も熱帯魚を飼ってみたいなと思わせてくれます♪
また、魚の種類も豊富であり、魚を一つ一つググってみると、説明されているとおりのユニークな特徴が確認できますので、実に面白いです(*^^*)
熱帯魚についてよく知らない私のような方も、存分に楽しめる作品だと思います!
ストーリーとしても和気藹々としており、熱帯魚を見るようにリラックスしながら読むことができます!
個人的には、カラーのミニ図鑑付きの文庫本で、拝読したいところです!
まず正直に申しますと、私はアクアリウムについて全然知りませんでした。
興味もなかったです。
にもかかわらず、この小説はそれでも読むと面白い!
女子高生が何人かあつまって、水槽の話、生体(魚)は何を買おうか、レイアウト(水槽の中)はどうする?……。
等々をしていくわけですが。
アクアリウムという女子高生としては珍しいであろう趣味を軸にして、なんとも言えないむず痒い友情模様が展開されていきます。
登場人物が皆それぞれに違った可愛さをもっていて、ゆるい日常系百合物を見ている感覚で読めます。
癒されたいひとに特におすすめかもしれませんね。(私は癒されます
アクアリウムに関してはかなり本格的な知識が知れると思われるので、興味のあるかたは参考にもできることでしょう。
趣味物としても、日常物としても、レベルの高い作品だと思います。
この作品の魅力は、
読者の分身とも言えるアクアリウム初心者の由那に、
一から十まで事細かくアクアリウムの始め方について説明されていることですね。
魚も意外に人に懐くことを知ったのは驚きでした。
この作品読むだけでオールオッケー感が凄いですね。
また、様々な種類の熱帯魚が紹介されていくうちに、
「由那はどの熱帯魚を選ぶんだろう?」
とこちらの方面での楽しみも生まれ、
読む手が進むエッセンスになっています。
テレビでも芸能人が家を探す番組ありますよね? あんな感じで、
そして由那が選んだのは思いもよらぬ「あの魚」でした。
物語の流れとしては、女子高生のゆるーい日常ベースの作風なので、
肩の力を抜いてのんびり読みやすい作品です。
今、新しくペットを飼おうかと考えているそこのあなた!
この作品を読んで、熱帯魚も検討してみてはいかがでしょうか?
アクアリウムと聞くと清涼感がありますよね。
実際には水生生物の飼育設備の事を指すので、つまり水槽で魚などを飼うことです。
こういった生きものを飼うことについては、やはり男性の方がハマりやすいジャンルにあると思います。
しかし、もしもそれを女子高生がやっていたら、そしてそのアクアリウムをキッカケに友情が芽生えた女子高生達がいたら……そんなどこかにいるかもしれないJK達の日常を描く素敵な作品です。
本作の見どころの一つは、作中に登場する水生生物達です。
水槽飼育というテーマにおいてどういう魚を飼うのかという話は最も重要ですが、その中でブルームーンギャラクシーヘッドやブラックアーマードプレコといった名前を見た際、思わずどんな姿をしているのか調べてしまうと思います。
これらの特徴や飼い方などの知識は、実際にアクアリウムをやる人以外はなかなか知る機会が無いと思うので、話が進む度に未知の世界への扉が開かれていく感覚を覚えます。
そして実際に飼ったらどんな風に泳いでくれるのか、そういった想像をさせてくれる、楽しい作品です。
また、そんな水生生物を飼おうとする一人のJK由那と、既にアクアリウムの経験があってひょんなことから由那と繋がりを持つことになったJK琴音、本作の主役である彼女達がアクアリウムを通して友情を育み、しかしそれ以外はとてもありふれた日常を送ります。
その日常感こそが、とても良いのです。
水槽の中で揺れる水草の様にとてもゆるやかな空気が流れていて、読んでいてとても心地良い気分になります。
彼女達は水槽の中を泳ぐ魚達を見守っていますが、そんな姿を私達読者は小説という名の水槽の外から見守る。そんな感じにずっと眺めていたい作品です。
少しでもアクアリウムに興味があるならオススメです。
JK達のゆるやかな日常系が読みたいならオススメです。
どっちも興味があるなら今すぐ読みましょう。
きっとアクアリウムの中を泳ぐ魚達を眺めている時の様に、癒されますよ。